記念すべき瓦版第1号は蛍光タンパクと波長の関係についてでした。
蛍光タンパク質
蛍光とはある物質がある波長の光を吸収し、それとは違う波長の光を放出する物理的な性質のことを指します。この蛍光特性を持ったタンパク質の事を蛍光タンパク質と呼びます。
例えば、BFP(Blue Fluorescence Protein:ブルー蛍光タンパク)であれば、特定の波長を当てると青色に蛍光するタンパク質となります。では特定の波長はどれなのか?が今回の瓦版の真ん中にあるグラフに記載されています。
上記のグラフは横軸が光の波長で、縦軸が波長強度となっています。グラフ中の虹色の山は水深10mでの波長スペクトル(どの波長がどの程度の強度で存在するか)が比較対象として図示されています。その中に各蛍光タンパクの励起スペクトルが記載されています。
励起スペクトルとは、特定の色の蛍光を発生させる波長を順番に当てて、実際に蛍光した強度の最大強度をプロットして得られたものです。BFPであれば、おおよそ360nm〜450nmあたりにかけてBFPの励起スペクトルがあります。山型になっている事からも分かる様に、反応する波長範囲の中でも弱くしか反応しない波長もあれば、強く反応する波長もあることを表しています。BFPの場合は400nmあたりの波長が最も蛍光を発する波長であると読み解くことができます。
太陽光とLED
比較対象として記載されている10mの太陽光スペクトルを見ると、全ての蛍光タンパクの励起波長を網羅していることが分かります。しかし、「光作りのヒント」にもあるように、LED照明の場合は一部の製品を除いて多くの製品で400nm付近の波長が弱いか欠落しています。BFPやCFPはその励起される波長の光が当たるからこそ存在意義があるので、その波長が当たらないとそれ自体が退縮してしまいます。このため、ご自身が使用されている照明の波長やその強度を把握し、不足分を補うことはサンゴの蛍光タンパクの維持や発現、すなわち色揚げに重要となるのです🙆♂️