瓦版 第32号 「昔のサンゴ照明の波長ってどうだったの?蛍光灯編」

とうとう最終回となります!

今回は前回に引き続き、昔のサンゴ照明について紹介されています。

『メタハラ』に引き続き、今回は『蛍光灯』についてのお話です。

蛍光灯

蛍光灯の原理はご存知の方も多いとは思いますが、簡単に紹介しておこうと思います。

蛍光灯の仕組みは実は複雑です。蛍光灯に電流を流すことで、まず初めに電子が放出されます。この電子は蛍光灯の中を進んでいきますが、この通り道には水銀蒸気が存在し、これと電子が接触すると紫外線が発生します。この紫外線が蛍光灯のガラス部に塗られた蛍光物質を励起し、我々が見ている光が生み出されます。

つまり蛍光灯の波長は、この蛍光体に何を使うかに依存するのです。しかし、残念ながらサンゴ用に特化した蛍光体の開発は、瓦版の示す通りあまり進まなかったようです。それでも青球やActinic球のスペクトルを見ると、それなりにはサンゴの蛍光タンパクを刺激できるスペクトルになっています。これらをうまく併用すれば、サンゴに有用なスペクトルが作れそうです。加えて、蛍光灯は配光性が高いです。LEDでは波長の異なる小さな個別の素子が並び、光の混ざりはどうしても均一になりにくいですが、蛍光灯は大きな光源からマイルドに波長の混ざった光が照射されます。こういった背景から、実際に海外では蛍光灯を愛用するアクアリストもまだまだ見かけられ、大手アクアリウムメーカーも蛍光灯を模範にLED照明を開発している印象があります。

上記のように、蛍光体は配光性が非常に良いので、蛍光体の開発や光量の改善があれば、今後も気になる照明になるのかなと感じました。

瓦版の最後には永ニ氏からEcotech Marineをはじめとした企業に向けたメッセージが記載されています。実はこの同時期にRadionがUVを強化したG6を発表しました。メッセージが届いたのかどうかは分かりませんが、サンゴ照明がまだまだ発展していく兆しが感じ取れたように思います😊

瓦版は今号で最終回となります。長編でしたが、サンゴ飼育における光の重要性が本当によく理解できたように思います。得られた知識を糧に、今後もサンゴ飼育を楽しみたいと思います🌱

最後に、当ブログに瓦版を掲載させていただくこと快諾していただいた明林永ニ氏をはじめ、ここまで読み進めていいただいた読者の方々に改めて感謝いたします❗️

ありがとうございました‼️