皆様、明けましておめでとうございます🎍
raikaです。
今年は正月早々からショッキングな事件が多く、被災された皆様にには心よりお見舞いを申し上げます。
地震は兵庫でもなかなかの揺れを感じ、水槽は溢れこそしなかったですがかなり危なかったです💦 海水水槽はフランジやキャノピーである程度の対策をしていましたが、やはり実際に地震が起こると怖いですね…。
さて、今回はかなり限定的な内容になりますが、エダコモンサンゴの1種である『Bubble Gum Montipora』の色揚げについて、経験的ではありますがある程度の再現性のある結果が得られたので共有しようと思います。
Bubble Gum Montipora
Bubble Gum Montiporaはエダコモンサンゴ(Montipora digitata)の1種です。エダコモンサンゴにも色々なカラーバリエーションがありますが、Bubble Gum Montiporaは青い骨格に鮮やかな赤のポリプが生い茂り、これに加えて枝の先端に緑色の蛍光蛋白(GFP)が発現します。この3色の組み合わせは非常に鮮やかで、人気のあるサンゴではないかと思います。
しかしながら、SNSの投稿を拝見していると、いざ飼育してみると色落ちしてしまったといった内容を時折目にします。特に先端部のGFPが消失してしまう事が多く、こうなるとこのサンゴの魅力が大きく損なわれてしまいます。
私もBubble Gum Montiporaが好きなので長期飼育していますが、GFPが綺麗に発現する時としない時をそれぞれ経験しました。その経験から、GFPの発現に影響していると考えられる要素を見出しました。
Bubble Gum MontiporaのGFP発現要素
Bubble Gum Montiporaは調子が良いとよく増えますし、SPSの中ではトップクラスに綺麗な赤色を持っている事もあって、我が家では複数に分けて配置をしています。すると、配置した箇所によってGFPの発現に明確に優劣が出る事が分かりました。
以下が飼育中のBubble Gum Montiporaの写真です。
まず、GFPがしっかり発現したもの⬇️
枝の先端はどこもしっかりとしたGFPが発現しており、色のコントラストはかなり鮮やかです。
お次が発現の弱いもの⬇️
GFPの発現が弱く、場所によっては全く発現していない箇所もあります。
一体何がこの違いを生んだのでしょうか?
まず水質ですが、これに関しては同じ水槽ですので条件は変わりません。ただし、我が家は色々な種類のサンゴを飼育するMixed Reefなので、場所によって光や水流の環境がかなり違います。大きく分けると、水槽左側にはLPS多めで光量を控えた区画、水槽右側はSPS主体の光量が強い区画となっています。
※波長構成も異なるので、写真の色合いも異なっております🙏
ここまで書くとお気づきの方もいらっしゃるかも知れませんが、『GFPが強く発現したのは水槽右側に明るい区画に配置したもの』で、逆に『GFPがあまり発現しなかったのは水槽左側の暗い区画に配置したもの』だったのです。
つまり、GFP発現に関わる要素とは、『光量』と言えるのではないかと考えられます。
Bubble Gum MontiporaのGFPは前述の通り、枝の先端に発現します。蛍光蛋白には色々な役割がありますが、その一つに抗酸化作用があります。枝の先端、つまり成長点に発現していることから、成長点で抗酸化作用を発揮して成長点を保護をしているのではないかと考えることができます。となると、光が弱ければ活性酸素がそもそも過多とはならないので、GFPの必要性が低下すると考えることができます。これは成長点と骨格の色彩が異なるSPSでも共通の原理ではないかと思っています🤔
呼吸や光合成などに伴って生じる活性酸素は細胞伝達機能や免疫機能を担いますが、多すぎると細胞障害性を発揮してしまいます。この活性酸素の細胞障害から身を守ってくれるのが抗酸化物質です。サンゴの持つ色素蛋白や蛍光蛋白にはこの抗酸化物質としての働きを持つものがあるとされています。
経験的にコモンサンゴの系統は、SPSの中ではあまり強い光量を必要としないサンゴではないかと思います。実際に、LPS環境に近い光量でもコモンサンゴを飼育する事は可能なことが多いです。この流れで、Bubble Gum Montiporaを暗めの場所に配置することによって、GFPの発現刺激を失い、色落ちにつながるのではないのでしょうか。
上記の理屈で、我が家ではGFPの発現を促す場合はおよそPARで言うと300前後、時に400近い光量で飼育するようにしています。これは通常のミドリイシを飼育するに必要な光量に近い光量です。強光と感じる方もいらっしゃるかも知れませんが、この光量でも調子を崩すことは我が家ではありません。
ただし、普段暗い場所で飼育している場合に関しては、急な光量アップはサンゴを傷つけますので、ゆっくり行うことを強く推奨します⚠️
また、GFPの発現を促したいので、特に励起光となる青波長を含めるのは大事です…と言っても、マリンアクア系のライトでは入ってる事がほとんどですので、GFPに関して波長は深く考えないでも大丈夫だとは思います😊
ちなみに、しっかりと光を与えた方に関しては、成長速度や枝の太さにも良い影響を与えているように感じています。成長に関しては水流が影響している可能性も考えましたが、我が家では水流の差で成長に変化が出る実感はありませんでした。
あくまで個人の経験的考察ですが、同じような手応えを感じておられる方も何人かお見かけしていますので、ある程度の再現性はあるのではないかと考えます。もし、Bubble Gum Montiporaの色揚げにお困りの方がいらっしゃれば、一度試されてみてはいかがでしょうか?
今回はBubble Gum Montiporaの色揚げについて考察してみました。また新たな発見があれば追記していこうと思います✍️
ではまた👋