怪我をしてしまった!どうしよう? 対処法を外科医がご説明します

皆様お疲れ様です。

raikaです。

普段生活をしていると不注意や不慮の出来事で怪我をすることがありますよね。そんな時に、

これくらいでも病院に行った方がいいのかな?

血が止まらない💦 どうしよう💦

などなど、不安や疑問が出てくることと思います。

今日は日常的な怪我の応急処置や怪我の状態の判断の仕方など、外科医の立場から分かりやすく解説しようと思います。

最後まで読んで頂ければ、ちょっとした怪我で心配する事がなくなり、どう対処すべきか判断できるようになると思います。

それではいきましょう。

怪我の種類

まずは種類について。怪我には傷の深さや怪我の仕方などによっていくつかの種類に分ける事が出来ます。種類に応じて対応の仕方も異なります。以下に主な怪我の種類についてまとめてみました。

擦過創

いわゆる『すり傷』と呼ばれるものです。体表を何かに強く擦り付けて出来る傷で、傷としては表皮から真皮までの浅い創になります。頻度としては最も多いと考えられ、誰しも経験する傷の代表格と言えます。皮膚組織の残存も多く、治癒も早いです。

挫創

擦過創よりも強い力で体表が圧挫することによりできる傷です。皮膚に損傷がなく、脂肪や筋肉などの深部組織の損傷が主体のものや、皮膚も損傷し、皮下組織の破壊が強い挫滅創などがあります。創の深さは皮下脂肪程度までの事が多いですが、加わる力によっては腱や骨が露出するような深い傷となる場合もあります。

切創

鋭利な刃物で皮膚や深部組織が分断されてしまった傷です。表皮のみの場合から、かなり深部まで損傷する場合もあります。挫創よりは弱い力でも深部まで損傷することがあり、神経や重要な血管、腱などの損傷の有無には注意が必要です。

刺創

先端の鋭利なものなどで刺された傷です。傷口が小さい割に深部組織まで損傷している場合があるので注意を要します。

咬傷

人、動物などに噛まれることによって生じる傷です。刺創のような形状をとる場合もあります。また、噛む力は思いのほか強く、骨折などを伴う場合もあります。加えて、口腔内の雑菌が傷に同時に付着しますので、化膿する危険性は非常に高いと言えます。

怪我への対応

傷の概要が分かったところで、ここからは実際どのように対応していくのが良いかを説明していきます。

治癒を遅らせる要因

初期対応を行うにあたって、それぞれの対応がどういった事を目的にしているかを理解することができれば、初期対応の判断も的確に行うことが可能となります。ですので、ここではそれらの根拠となる治癒を遅らせる要因を一つずつ説明していきます。

まず第一の要因は土や小石などに代表される異物です。これらは物理的に傷の治癒を邪魔しますし、後述する感染の原因や温床にもなりうります。また、損傷の結果死んでしまった自分の組織(壊死組織)もある意味で異物として認識されます。

第二の要因は感染です。ここでの感染は主に細菌によるものです。細菌は目には見えませんが、そこら中に存在しています。普段は皮膚が細菌から体を守ってくれていますが、怪我をすると細菌が体に侵入します。侵入した細菌が傷で増殖し炎症を起こすと、治癒を遅らせるばかりか、状況によってはより深い傷となってしまう場合もあります。

第三の要因は乾燥です。傷が治る過程で、傷を治す成分は湿った環境で柔軟に移動することが可能です。このため、傷口が乾燥すると治癒を遅らせます。

初期対応

初期対応で大事なことは『洗浄』と『止血』です。

まず初めに洗浄を行います。具体的には流水で傷をしっかりと洗い流します。これにより傷に入り込んだ異物や細菌をある程度除去することが可能です。使用する水は、日本であれば水道水で十分です。海外の場合は、水道水の汚染が強い場合もあるので、飲料水などがより最適となります。手で擦ったりすると、損傷がひどくなる場合もありますので、基本的には擦らず洗い流すだけで初期対応としては十分です。

次に出血があるようなら止血を行います。止血の基本は傷の圧迫です。出血している箇所に清潔なガーゼや布を当てがい、傷口を押さえます。出血の勢いが弱い場合は、軽く押さえるだけで十分な止血が得られます。勢いが強い場合はやや強く押え、可能ならば心臓より高い位置に傷口を上げることにより止血が得られやすくなります。

受診について

初期対応ができたら、受診するか否かを考えます。

上記の怪我の種類のうち、挫創、刺創、咬創に関しては受診した方が良いです。これらの傷は思わぬ深部組織の損傷があるかも知れませんし、特に咬創に関しては感染のリスクも高いです。適切な創部処置と投薬が必要となる事が多いと考えます。

擦過創に関しては、上記の初期対応を行った上で自宅での経過観察でも十分自然治癒する可能性が高いですので、わざわざすぐに受診する必要はありません。

切創については傷が浅ければ擦過創と同様に自宅での経過観察は可能です。ただし、処置に自信がない場合や深い切り傷の場合は受診をしましょう。

自宅経過観察した場合の注意点

自宅で経過観察することにした場合の注意点は主に『感染』が起こってきていないかどうかをチェックする事です。もし、傷口に感染が起こると、化膿して傷が治らないどころか、より状況を悪くします。

チェックのポイントはシンプルに4つです。

発赤:傷の周りがどんどん赤くなっていないか?

腫脹:傷の周りが腫れ上がってきていないか?

熱感:傷口が熱を持ってきていないか?

疼痛:痛みがどんどんひどくなっていないか?

この4点に注意しながら日々観察してください。感染を起こすと、多くは上記のいくつかが同時進行で悪くなりますので、その場合は受診をして下さい。

よくある間違った初期対応

日々診察をしていると、完全に間違った初期対応をして受診される方に遭遇します。これらは傷に良くないので、ここでその代表例をお伝えしておきます。

傷は乾燥させて「かさぶた」を作る方がいい

これは間違いで、「かさぶた」はいわゆる壊死組織です。感染などがなければ、かさぶたで覆われて傷自体は保護され適度な湿潤環境を保てる場合もありますが、あえて乾かす必要はありません。さらに乾燥は前述のように傷の治癒材料の輸送を邪魔します。

血が止まらないので縛った

これも間違いです。多くの場合、紐やゴムでキツく縛って来院されます。キツく縛ると確かに血は止まるかも知れませんが、この場合、傷口を含む縛った先への大事な血液の供給が遮断されます。損傷のない組織の2次損傷につながりますし、傷口では血液に乗って運ばれてくる栄養や免疫力も失われ、結果的に治癒を遅らせます。また、縛り方によっては出血をより助長してしまう場合もあります。

 

いかがでしたでしょうか?今回は怪我してしまった時の初期対応についてまとめました。

皆さんの生活の一助となれば嬉しいです。

ではまた!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

CAPTCHA