腫瘍マーカーってどんな検査? 分かりやすく解説します

皆様、お疲れ様です。

raikaです。

今回は腫瘍マーカーと呼ばれる検査項目についてご説明しようと思います。

検診のオプションなど見かける事も多く、皆様にとっても身近な検査ではないでしょうか?ただし、この検査は必ずしも検診に適した検査とは言えません。臨床では腫瘍マーカーの測定はすでに診断された癌の評価や経過観察を目的に行われます。

このため、診断のための計測はあくまで補助的な意味合いに留まります。身近な検査であるからこそ、意味合いを知っておくとは大切です。

皆様の中には

「検診で腫瘍マーカーを測定したら正常値よりも高かった💦癌ではないかしら?」

「癌かどうかを知りたいけど、腫瘍マーカーを検査すればいいのかしら?」

 

などなど、腫瘍マーカーについて色々と疑問が多いと思います。今回は、そんな皆様の疑問を解決するために、日常的にがん診療をしているraikaがひとつひとつご説明していきたいと思います。

腫瘍マーカーとは?

腫瘍マーカーとは、がん細胞、もしくはその周辺から分泌される特殊な物質を総称したものです。測定するには、血液検査や尿検査などを行います。

その種類は多岐に渡り、約40種類ほどのマーカーが用いられています。複数のタイプの癌で上昇するものや、ある一つの癌でのみ上昇するものなど様々です。

検診のオプションなどでも簡便に測定可能ですので、皆様も目にすることは多いと思います。

ただし、その解釈には注意が必要になります。なぜなら、腫瘍マーカーは診断感度、診断特異度が低い検査だからです。

raika

感度?特異度??となると思いますが、順にご説明しますのでご安心ください!

感度が低い:癌があっても腫瘍マーカーが必ず上昇するわけではない

ここでの感度とは、異常のある人を異常ありと判定できる確率のことです。つまり感度が低いとは、癌があっても検査で陽性が出ないことが多いというこ事になります。なぜそんな事が起こるのでしょう?

その理由は、腫瘍マーカーが異常値を示すのは一般的には癌自体がかなり進行した後のことだからです。早期癌では腫瘍マーカーは殆ど分泌されない事が多く、数値的には正常値であることの方がかなり多いのです。このため、腫瘍マーカーを早期発見の検査として使用する意義は乏しいと言えます。もちろん、進行しているわりに無症状で経過する場合もありますので、そういったものを見つける一つのきっかけとして考えるのはよいと思います。

特異度が低い:癌ではなくても腫瘍マーカーが過剰に分泌される事がある

特異度は異常のない人を異常がないと正しく判定できる確率です。つまり、癌ではない人でも腫瘍マーカーが上昇することがよくあるので、腫瘍マーカーの特異度は低下するのです。

腫瘍マーカーは腫瘍細胞だけが産生するわけではなく、正常細胞からも産生されることがあります。このため、人によっては平時でも癌ではないのに腫瘍マーカーが多く分泌される場合があるのです。例えば、CEAと呼ばれる腫瘍マーカーは喫煙や加齢で高直になる事があります。

以上の2点から、腫瘍マーカー測定は癌の早期発見を目的とした検査には適さない事が分かると思います。

注意
腫瘍マーカーの中には前立腺癌に対するPSAや肝細胞癌に対するAFPのような特異度の高い例外もあります。こういった項目は一般的な腫瘍マーカーよりはその診断的価値が高いと言えます。

腫瘍マーカーの考え方

ではこういった癖のある検査は、どのような使い方をすれば有用なのでしょうか?

また、検診での腫瘍マーカーの立ち位置はどう考えればよいのでしょうか?

この辺りを順に解説していきます

腫瘍マーカーの役割

腫瘍マーカーの本来の役割は冒頭でもお伝えしたように、すでに診断された癌の評価や経過観察にあります。以下に臨床現場での腫瘍マーカー利用の具体例を示します。

具体例①

癌の根治手術を受けた方は手術後に定期検診を続けます。これは、癌の再発が起こらないか確認をするためです。こういった患者様に腫瘍マーカーを定期的に測定し、上昇を認めた場合は再発している可能性が高く、再発の発見の一助となってくれます。

具体例②

抗がん剤で治療を行う場合、治療を継続する上で薬の効果があるか否かの評価は大切です。この評価項目として腫瘍マーカーを測定します。効果があれば数値は下がりますし、効果がなければ数値は上昇します。このような数値の変化は治療の評価に有用と言えます。

このような例の場合、血液検査で簡便に測定できる腫瘍マーカーは非常に有用です。

検診での腫瘍マーカーは必要か?

結論から申し上げると、必要はないと考えています。

その理由は前述のとおり、診断感度と診断特異度が低いことに尽きます。

検診のオプションなどで検査をして、異常値が出て来院される方を時折見ます。その場合、我々も万が一を考え精密検査を行います。その結果、多くの方は特に異常を認めず経過観察となります。ただし、これで患者さんは安心できるでしょうか?他に異常がないから大丈夫とは言われたものの、腫瘍マーカーは実際上昇しているのです。この不安は完全に解消するのはなかなか難しいと思います。時間と費用を使うことになりますし、結果が良くても完全な安堵は得られずモヤモヤする。

もちろん、無症状の進行がんを考えて検査するんであれば価値はあると思います。

こういったことを理解した上で検診の腫瘍マーカー測定は受けるようにしましょう。

今回は腫瘍マーカーについて解説させていただきました。

検査にはそれぞれ向き不向きがあります。検診ではこれらの検査を自分で取捨選択する必要があります。

この記事が失敗のない検診を受けるための一助になれば幸いです。

ではまた。

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

CAPTCHA