皆様お疲れ様です🌱
raikaです。
11月に入りましたが、それでもまだ暑いと感じる日がありますね💦 今年の気候はどうなっているのか…。
さて、少し前までは一部のLPS以外は安定していて落ち着いた状態で、日々メンテをコツコツと続けていた我が家の水槽ですが、最近になりちょこちょことやる事が増えてきました。トラブルや新たな取り組みなどですが、今日はそのうちの一つ、表題にもある『ミドリイシの接触』をテーマに書いていこうと思います。
サンゴの毒性
サンゴは皆さんご存知の通り、刺胞動物門に属する立派な動物です。刺胞動物はイソギンチャクやクラゲ等に代表される動物であり、その名にもあるように『刺胞』を有しています。
『刺胞』とは簡単に言えば『毒針』であり、そこから考えるとサンゴは意外と攻撃的な動物だと言うことが分かるかと思います。
サンゴの持つ『刺胞』はその種類によって性質や毒性は様々ですが、飼育されている個体で人間にとって有害であることは稀です。ただし、相手が同じサンゴであれば話は別で、彼らは水槽の中でも激しい場所取り合戦を行っています。
なので、飼育の際はお互い距離を取って配置する事が基本となります。
相性によっては接触可能な組み合わせもあるかと思います。詳細はプロショップ等に訊ねられると良いかと思います。
ミドリイシの接触
さて今回はミドリイシ同士の接触についてです。ミドリイシはSPSの代表格ですが、ハイマツミドリイシ、ウスエダミドリイシなどなど種類が非常に豊富です。これらはミドリイシとしては同じ種族ですが、その種類が異なると接触により影響を受ける事がほとんどです。
人によっては、接触の恐れがあれば事前に枝打ちしたり上手く配置換えされる方もいらっしゃいます。
私の場合は、基本的には接触した時点でどのような反応が起こるか観察し、その状況に応じて対応しています。このスタイルをやっていると、ミドリイシ同士が接触した場合に、いくつかパターンを呈する事が分かりました。
主にお互いの枝同士が近しい場合に起こります。この場合、どちらかのサンゴがそれ以上相手方に突っ込まないように成長します。急カーブを描くように枝を伸ばしたり、隙間を縫うように枝を伸ばしたりします。我が家ではよくあるパターンで、この場合は勝手にミドリイシ同士が避け合うので、枝打ちせずにむしろ枝が絡み合う自然の造形美を楽しむようにしています。
こちらも枝同士の接触で観察できますが、頻度はそこまで高くは無いです。相手に対して厚い骨格の盾を作りそれ以上突っ込まれないように遮って防御します。このパターンの場合、その盾をそのまま相手の上に覆いかぶせるように成長するので、やられた方は光量不足で成長がそこだけ阻害されてしまいます。この場合も大きな影響がなければ枝打ちせずに様子を見ています。
被覆部分で最もよく観察されるパターンで、接触部でバチバチと攻撃し合います。競り合った結果、お互いが接触部で僅かに白骨化して一旦戦いはおさまります。しかし、すぐにお互い再生してまた攻撃をし、これを繰り返します。結果的に均衡が取れるので、それ以上の問題が起きることはあまりないです。稀にお互い白骨化した白い線状部分にシアノなどが横槍を入れてきたりもします。我が家では基本これも放置です。
枝部分でも被覆部分でも起こりうるパターンで、片方が一方的に蹂躙されます。頻度はそこまで多くないですが、最も問題となるパターンです。これが起きた場合は積極的に枝打ちや配置換えを考慮する必要があります。
このパターンの場合、やられた方は大きなダメージを受けますので、場合によっては接触した部位からみるみる弱り、接触していない部分までもが白骨化し全滅してしまう事もあります。
これらのパターンはあくまで経験的な分類で、サンゴの持つ毒の効力が単純に高いのか、それとも相性の問題なのかまでは不明です。
実例
ここでは実際のパターンを提示していきます。
サンゴが避け合っているだけなので、画像ではなかなか伝わりにくいかも知れませんが以下のような感じになります。
互いにぶつかりそうに見えますが、ぎりぎりで互いに避け合っています。
こちらが遮るパターンの画像になります。
画像の中心、赤いマルで囲んだ部位に右のミドリイシが板のように成長し、左のミドリイシとの接触を防いでいるのが何となく分かるのではないかと思います。
覆われた方のミドリイシはその部分だけ白骨化しますが、それ以上に傷が拡がる事はありません。これに関してはそのまま様子を見ています。
次は被覆部分でせめぎ合っている様子です。
ここではloripesとspeciosaがせめぎ合っていますが、お互いわずかに白骨化する程度で、それ以上に傷つく事はありません。こちらもそのまま様子見で問題ないと判断しています。
最後は危険パターンです。大事なので2例紹介します。
まず1つ目はこちらになります。
パターン3のものとは違って、明らかに右の黄色のミドリイシが左のミドリイシを圧倒し、隣のサンゴが侵食されているのが伝わるかと思います。拮抗してくれないかと様子を見ていましたが、そろそろ救済してやらないとダメそうです。
次はもっときついパターンです。
少し分かりにくいかと思いますが、赤丸部分に注目してみてください。生い茂った根本部分で接触していますが、一方だけ広範囲に白骨化し、逆に一方は全く問題ない状態です。その目で見ると、黄色丸の部分に何やら嫌な気泡がついており、こちらは白骨化した部分に藻類が付着し始めていました。白骨部に藻類が付着し始めると、さらに状態悪化に拍車がかかる事が多いので、この事例は緊急オペが必要な状態です。
ちなみに負けていたのは貴重な『Fireworks rainbow』です。いつものように観察していると、なんとなくポリプの出方が悪く、肌艶も落ちていたのを契機に発見しました💦
以下に状態が良い時(左)と今回の処置前(右)の状態を比較してみました👇
右は触れてもいないのに、ポリプの出方は明らかに悪いです。また、骨格部の艶も右の方が悪いです。サンゴにとって重要な粘液(ミューカス)の分泌が低下しているのかも知れません。こうやって比較すると分かりやすいですが、一方だけを見ているとなかなか気づきにくいもので、頭の中に好調時の状態がどんなものか『画像』として知っておき、これと比較できることは観察時には重要かなと思います。
根本の被覆部のダメージは相当大きいと判断し、今回は根本から完全に折って外すことにしました。以下は弱った『Fireworks』を取り除いた状態です👇
ご覧のように、接触している箇所を裕に上回る範囲が白骨化しています。まさに毒を打ち込まれたかの如く接触部から広範囲にダメージを受けていました。恐らく、もう少し処置が遅れたら再起不能になっていたのではと思います😓
幸い、再度フラグ化した『Fireworks』は👇のように復調しつつあります。
今回はミドリイシ同士の接触について、自身で経験した事例をもとにまとめてみました。ミドリイシ飼育の際の何かの参考になれば幸いです🌱
ではまた👋