水槽日記 海から学ぶ『塩分』とその測定について✍️

皆様お疲れ様です🌱

raikaです。

このブログを開設してもうすぐ1年を迎えようとしています。お陰様で少しずつではありますが、見ていただける機会も多くなっており日々の励みになっています😊 ありがとうございます🙇

そこで、せっかく読んでいただいているこのブログ、少しでもコンテンツとしての価値を高めようと思い新たに項目を増やしていく事にしました🔥

お気づきの方もいらっしゃるかと思いますが、日々の記事に加えて、アクアリウムで気になる事をまとめるべく、取り敢えず項目だけ作りました。まだ殆ど準備中ですが、隙間時間で少しずつ内容を追加していくつもりなのでよろしくお願い致します🙇

そこで、今回は基本となる『塩分』について、本物の海から学んでいこうと思います。

『塩』とは

海に溶けてるものは何かと尋ねられたら普通は塩(しお)と答えますよね。この塩とはNaClを指していると思います。ただ、これは完全な正解ではありません。我々アクアリストとしてはもう少し深く理解しておく必要があります。

海に溶けている塩は正しくは塩(えん)であり、これは水に溶けてイオン化する化学的な塩類に加え、微量金属、微量なコロイド粒子や溶存気体等も含みます。かなりの割合をNaイオンとClイオンが占めますが、その他の塩類にもそこに住む生物にとって重要な役割があります。

塩分の割合

 

raika

では『塩』には一体どんなものが含まれているのでしょうか。ざっとですが調べてみました🌱

まずは大きく水と塩の割合ですが、水が約96.5 %塩が約3.5 %となっています。

この3.5%と言うのが、我々が日々調整している塩分になります。塩分は一般的には『%』ではなく『‰』(パーミル)で記載されますので、換算すると35‰となります。

ただし、地域によってある程度の変動があり、おおよそ30~37‰のばらつきがあります。

比重について

海水に溶け込んでいる塩分を測定する場合、塩分を測定せずに『比重』で代用される場合があります。アクアリストにとってはこちらの方がむしろ馴染みがあるかも知れませんね。

比重とは、『ある物質の密度と基準となる標準物質の密度との比』です…言葉にすると難しいですね💦

海水に限定すると、1気圧あたり4℃での純粋な水と同体積の海水の重さとの比となります。お馴染みの1.023という値は、1気圧4℃の水に比べて飼育温度の海水は1.023倍重いという意味になります。ここでポイントになるのが比重は温度によって変化する事です。これは比較する水分量の基準を『体積』としており、その水の体積は温度変化によって変動するからです。

調べたところ、おおよそ水温が4度前後変化する毎に比重は0.001程度ずれていきます。例えば真冬に4度の水で海水を作り比重を1.023に合わせたとして、それを24度に温めると比重は1.018程度にまで低下します。これって誤差としては容認できませんよね💦 このため、比重の測定は温度も合わせた状態で行う必要があるのです⚠️

塩分の内訳

海水の塩分が分かったところで次はその内訳です。ほとんどがNaとClですが、それ以外は量こそ少ないですが非常に多彩で、70以上の元素等で構成されています。多くは1ppmを大きく下回る微量元素になりますが、各成分には各々に大事な役割があります。

以下はその中でも含有量の多い代表的な10元素とその量です。単位はmg/kg(ppm)で、以下では省略しています。

  • Cl:19350
  • Na:10780
  • Mg:1280
  • S(硫黄):898
  • Ca:412
  • K:399
  • Br(臭素):67
  • C:27
  • Sr(ストロンチウム):7.8
  • B(ホウ素):4.5
  • Si(ケイ素):2.8
  • その他:1.75

以下のグラフは上記項目の割合を示しています。(文字が小さくてスミマセン💦)

 

こうやって見ると、主要イオンのCaやMgでさえ割合としては少ない事がよく分かりますね👀

そしてさらに上記項目の『その他』の中には、ヨウ素や鉄など、我々が飼育している生体にとって重要な微量元素が数多く含まれているのです。

『塩分』調整はとても大事

ここまで読んでいただけると、塩分(又は比重)は海水を創る上で、水に溶け混んでいる成分の総量である事がしっかりと認識出来たと思います。

私なんかはアクアリウムをやりだしてしばらくは比重はNaClだけを測定したものだと思ってまして…昔は若干適当に海水作りをしてました😓 多少薄く作ったもので換水したり、蒸発と足し水で比重が不安定でもあまり気にしてませんでした💦

今から考えると完全にやらかしてますね😓 賢明な読者の皆様には伝わったと思いますが、塩分又は比重をキチンと合わせて安定させるという事は、海水の各種成分を一定に保つ最も大事な基礎なのです🙆‍♂️

例えば比重は適当にやってて、各種の項目だけに固執したりするのは本末転倒なのです🌀 まさに『木を見て森を見ず』ですね💦

実際の測定について

では実際の計測についてです。測定器材が手頃な事もあって比重測定をされる方が多いと思います。ただし、繰り返しになりますが比重の測定は温度による誤差が比較的大きいので、温度合わせを行った上で測定する事が大事です。設定温度はご自身の飼育水の温度に合わせて良いと思います。

これに比べて塩分測定は器材のコストに問題がありますが、上記の誤差を考えなくて良いので、比重よりも正確に測定しやすいメリットがあります。ただし、そんな塩分の測定にも注意点がありますので、順に説明を加えていきます。

raika

まずは測定器材にどんなものがあるか見ていきます。

測定機材の紹介

測定器材は多種ありますが、使用頻度の高いものをここでは見ていきます。

アナログ比重系

アナログ比重系は安くて使用が簡便である事が最大のメリットかと思います。このタイプの機材はプラスチックの容器に特殊な錘が入っており、この錘にかかる浮力を利用して比重を測定していると思います(多分💦)。なので、中に入っている錘に気泡、苔、ゴミ、塩の塊などが付着していると、浮力が変化してしまい正確に測定できないので注意が必要です。また、経年的な劣化や、個々の商品間での誤差も比較的大きいので、複数使用したり、定期的な交換が推奨されます。要はそもそもの精度が少し低く、しかも校正が効かないです。

魚やソフトコーラルなどを主体とした水槽管理に対しては問題なく使用できると思います。ただし、SPSなどの水質に敏感な生体を飼育する場合だと、正直物足りない印象です。

このタイプは各社から様々な商品が出ていますね💡

デジタル系

デジタル系の利点は素早く簡便に正確な値が測定できる事だと思います。このタイプのものも各社から製品がありますが、比重、塩分、温度を同時に測定できる優れたものもあります。デメリットは機材自体がやや高価で、電池や校正液など、わずかだと思いますがランニングコストが発生する事、加えて、精密機器なので故障のリスクも少し高いのではと思います。

 リフレクトメーター

光の屈折を利用して塩分を測定する器材です。測定結果は正確で、物自体は非常に頑丈で長持ちします。使用方法も比較的簡単です。デメリットとしては購入費用が高い事かと思います。SPSなどを飼育するのであれば、前述のデジタル系かリフレクトメーターを使いたいところです。

私自身が使用しているものは言わずと知れたRed Seaのものです👇

マリンアクアリウム用に特化した設計となっているのが一番の強みです🙆‍♂️ この為、目盛りもマリンアクアリウムで必要な範囲で大きく表示され、測定結果は25℃での数値が表示されますATC(自動温度補正機能)がついており、海水を測定する為に校正されています。

 

リフレクトメーターではこちらを薦める方も多いです👇

 こちらは多種多様な屈折計を製造する日本の老舗『ATAGO』の製品です。屈折計をずっと開発している会社なので、製品の信頼性、正確性は間違いないと思います。ただし、こちらはホビー用だけでなく海洋調査などでも使用することを想定した仕様となっています。この為、メモリの範囲はかなり広く設定されており、RedSeaに比べると若干メモリが見にくいかも知れません。ATCについては搭載モデル(2491)と非搭載モデル(2493)がありますので、購入時は注意が必要です。測定結果はRedSeaと違って20度での数値が分かります。

ちなみに私の場合は測定時の温度で結果が変動する比重での測定は避け、前述のようにリフレクトメーターを用いて塩分を測定しています。 目標値は35‰です。アクアリウムとしては若干濃いと感じる方もおられるかもですが、飼育しているサンゴ達の故郷の海洋をお手本にしたいのと、成分的には多めに保てる事をメリットと捉えている為です。

注意
私はこれまで知らなかったのですが、塩分測定は海水測定用のものを使用する必要があります。一般的な塩分濃度計の場合、純粋にNaClのみを測定する前提で調整されており、それ以外にも多様な元素の溶け込んだ海水を測定する際に、これを考慮した設計でなければ測定結果に誤差が出ます⚠️

リフレクトメーターの『ATC』と『設定温度』

ところで、リフレクトメーターでは『ATC』と呼ばれる機能と指定された『設定温度』が存在します。この二つ、よく分からずに流していたのですが、勉強してみました。

ATC

これは測定する海水をある温度に自動で補正しているのかなと理解していましたが、なんだか違ってそうです💦

リフレクトメーターで屈折率を測定する場合、温度変化で測定結果に多少変化が出ます。これは、リフレクトメーター自体の温度(室温などの環境温度などで変化)により検査する液体の温度が変化し、結果として測定値のぶれが起きてしまうようです。場合によってはかなりの誤差になる場合もあるので注意が必要です。これをある程度抑制するのがATCです。ただし、ATCがついていても、極端な環境温度では補正の範疇を超えてしまうこともあるので過信は禁物です。例えばRedSeaの場合は環境温度が15℃〜35℃の場所で測定するように明記されていますので、ご自身で使用される器材のマニュアルを確認してください。

設定温度

これはRedSeaだと25℃ATAGOだと20℃に設定されています。この温度は、測定した海水温度が各社メーターの設定した温度であると想定して設計しているという事だと思います。つまり、飼育温度が25℃の人だと、RedSeaのもので測定すれば、測定値通りの塩分を管理できているけど、ATAGOを使っていたら実際には違った塩分になっている…。23℃管理の人なら、どちらで測定しても実際には多少ずれているという理解になります🌀

なので、ご自身の管理している温度と使用しているリフレクトメーターの結果との誤差を少し考慮するのがより正確なのではないかと思います。ではどの程度の誤差なのでしょうか? 以下、RedSeaの下記の一文にヒントがありました。

『例えば、20℃に較正されている海水用屈折計を使った場合のpptの読み取り値は、同じサンプルでの25℃の水温の正しい塩分濃度より、約1〜1.5ppt低く表示されます』

レッドシー 公式ページより引用

pptとは‰と同義と考えてください。つまり言い換えると、ATAGOの20℃測定値とRedSeaの25℃測定値の間には、同じ海水を測定したら1〜1.5‰の誤差があるということになります。多くの方は23℃前後で管理されていると思うので、そこまで気にする必要はないかも知れません。ただ、ここを理解せずに25℃管理の人が20℃設定のATAGOを使ったり、20℃管理の人が25℃設定のRedSeaを使うなど、状況的に誤差の多い組み合わせになってしまうと、せっかくリフレクトメーターを使っていても、日々正確にずれた値に管理してしまっている事になります⚠️

RedSeaの記事から考えると

  • 飼育水温が設定温度より低い→結果は高めに判定される(実際は測定値よりも低い)
  • 飼育水温が設定温度より高い→結果は低めに判定される(実際は測定値よりも高い)

となるのかな🤔 例えば、私の場合だと、RedSeaを使用していいるので設定温度は25度です。実際の水温は22度程度なので、実際よりも少し高め判定が出ていると考えておくといった具合です。

うーん、書いててもなんだか混乱してきますね😓 シンプルに考えると、リフレクトメーターを使用する場合は、『海水用』で『ATC』が付いているものを使用し、ご自身の水温とメーターの設定温度によって測定結果に誤差が生じるということを知っておく事が大事です。特に、塩分の設定を基準範囲のギリギリで攻める場合は、使用しているメーターの特性をしっかりと理解しておきましょう🙆‍♂️

 

今回は海に溶けている『塩』にはどんなものがあるのか?そしてその割合である『塩分』や『比重』についてと、その測定について勉強してみました✍️  基本的かつ重要な割に見落としがちな存在ですし、いざ測定するにしても中々に落とし穴がありましたね😅 内容的に難しいところもあり、間違った事を書いていたら遠慮なくコメントいただければ幸いです🙇‍♂️

普段何気なく測っている塩分ですが、測定について少しでも理解が深まる一助となれば嬉しいです。

ではまた👋

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