水槽日記 サンゴの接着剤について 〜おすすめの接着方法を教えます〜

皆様お疲れ様です。

raikaです。

マリンアクアリストの方々の中にはサンゴ飼育をされている方は多いと思います。サンゴは自分で動けないために、その生息環境、水槽内ではレイアウトする位置が非常に大事な要素となります。実際には岩組を組んで、その上にサンゴをレイアウトしていくわけですが、これがなかなかうまくいかないんですよね💦 足場がそもそも少なかったり、上手く置けてもヤドカリに蹴落とされたり、シッタカにこかされたり💦 多くの方が経験していることと思います。下手すると何度も修正して触ったせいで弱ったり、毒性の強い他のサンゴに接触したり、最悪の場合、それらの結果としてサンゴを死なせた方も多いと思います😓 そういう状況を打破するための手段がサンゴの接着です。ただ、接着と行っても各社から色々なタイプの接着剤が販売されていて、いざ必要となった時にどれが良いのか分からなくなりますよね🤔 今日はそんな方のために、自分が実際に行っている接着の極意を伝えようと思います!

サンゴ用の接着剤の種類

サンゴ用の接着剤は当たり前ですが、海水水槽内で使用します。ですので、成分が溶け出して生体に害を及ぼしてはいけませんし、そもそも水中で使用できないといけません。必ず水槽用に特化した製品を使用するようにしましょう。

raika

まずはどういったものが販売されているか見ていきましょう!

液状/ゲル状タイプ

多くはシアノアクリレートが主成分となっており、非常に強力で急速に硬化するタイプの接着剤です。水分と反応して硬化するため、水槽内での使用は理にかなっています。水槽用に作られた各種製品は、その成分が溶出することなく、毒性もありません。以下のような商品が代表的です。

デルフィス Quick Gel / Water Gel

私は主にこれを使っています。水に触れるとすぐに固まりますが、たっぷり出すと水に触れない部分が固まりにくくなり使用にはコツが必要です。硬化しても、手で外すのは比較的簡単です。

Two litlle fishes コーラルフィックス

AZOO インスタントグルー

Eco Tech Marine コーラルグルー

ゲルタイプでは特に高価な商品です。粘性の高い基剤はプラグや岩との密着性も良く、非常に使いやすい商品だと思います。

エポキシタイプ

混合型エポキシ樹脂が主成分となった商品です。二種の基剤を混ぜることで硬化が始まります。完全硬化にはしばらく時間を要しますが、粘土のように扱う事が可能です。ゴツゴツとしたライブロックとサンゴを密着させるのには非常に重宝します。以下のような商品が代表的でです。

DD アクアスケープ

二種の基剤が別々に収納されており、適量づつ取って混ぜて使います。混ぜた後に濡れると、表面に滑りが少し発生します。このため、シアノアクリレートとの併用の際には安定性に難ありと感じます。

Aquqrium Systems Hold Fast

私はこれを使用しています。紫色もありますので、使用の場面に応じて選ぶと良いと思います。カッターなどで必要な分を切り分けるといいです。匂いがそこそこキツイので、苦手な方はマスクや手袋着用でこねることをお薦めします。硬化するとかなりカチカチになり、簡単には取れません。

上記商品は廃盤となりリニューアルされました。下記記事にて紹介しています👇

その他

nyos リーフセメント

水と商品を混ぜ合わせることにより、まさにセメントのような接着ができます。数分でかなり強力に硬化します。水中での使用は可能なようですが、安全性は確立されてはいないようです。空気中で硬化したのちに水槽内に入れるのは問題ありません。我が家では人口ライブロックの接着はこれで行いました。

マメデザイン マメグルー

レンジやお湯で温めると軟化して粘土状となり、冷めるとまた硬化する新しい製品。使用経験はありませんが、便利そうに思います。

サンゴ接着の実際

上記のようにたくさんの種類や形状があります。最初は特に何を使っていいかも分からないと思います。かくいう自分自身も何度も挑戦して、やっと安定したやり方を見つけました。

raika

それでは順番に説明していきますね!

用意するもの

Aquqrium Systemsから販売されている『Hold Fast』

デルフィスから販売されている『Water Gel』

この2種類を使います。必ずしも、上記の商品でないとダメ!と言うわけではありません。ポイントは粘土状の接着剤とシアノアクリレート系の硬化時間の速いタイプのものを併用する事です。

手順

  1. まずは目的とするレイアウトを決める。
  2. Hold Fastを適量取って練り始める。
  3. 練ったHold Fastの『サンゴと接着する部位』にWaterGelを少量塗り、すぐにサンゴをそこへ接着し、数十秒間固定して、サンゴとHold Fastを接着させる。
  4. Hold Fastの『土台と接着する部位』にWater Gelを少量塗り、すぐに土台に押し付けて、数十秒間押さえつけたまま待つ。
  5. ゆっくりと力を抜いて固定されているのを確認できたら手を離す。
  6. 必要があればHold Fastをサンゴと土台の間に補充する。
  7. 見えているHold Fastは人工的なので、竹串や割り箸などで突いて、土台と同じようなゴツゴツ感を演出する。

ポイントとコツ

この極意の最大のポイントは異なる2種類の接着剤を併用するところにあります。そんなの当たり前だよ!て玄人の方にはすみません(汗) 私自身はここに至るまでに何度も失敗しましたし、意外とネットで調べても具体的な手順まで解説してくれていることがあまりないんですよね…。1種類の商品だけ使用して、「うまくいかなかった!」「全然だめ…」ってコメントはよく見かけます。

シアノアクリレート系接着剤の長所と短所

長所は何より硬化が早い事だと思います。逆に短所は、水に触れないと固まらないこととボリューム感がない事。ゴツゴツしたライブロックなどを相手にすると、シアノアクリレート単独でやるとどうしても接着剤をたっぷりつける必要があります。しかし、そうすると水に濡れない中心部はなかなか固まらないし、凹凸の強いライブロックだと接着剤がうまく当たらないこともあります。

エポキシタイプ系接着剤の長所と短所

長所は硬化自体は基剤を混ぜることにより始まっているので、水に触れない部位も時間経過でしっかり固まる事です。また、粘土状なのでサンゴやライブロックのようなゴツゴツと凹凸の強いもの同士でも、押さえつけてやることで、凹凸にしっかりと入り込み接着面をしっかり確保できる事です。短所は硬化時間に時間がかかる事と、単独だと硬化するまでは接着力が弱い事です。

お互いを補完する

上記の長所と短所を併用することでうまくお互いを補完してやります。

Hold Fastの役割は接着初期におけるサンゴと土台の凹凸面に対して接着面を十分に確保する事、接着後期における固定性です。特に接着初期における接着面の確保が大事です。

Water Gelの役割はHold Fastが苦手とする瞬間接着です。Hold Fast単独だと、数十分は水中で押さえないとうまくいかない事がありますし、長時間押さえても接着しない事もあります。その点、Water Gelは数十秒で接着します。

コツ

Hold Fastですが、使用説明には、練り始めて7分程度で硬化が始まるとあります。このため、接着のイメトレが完成したら、まずは練り始め、時間を計りましょう。経過時間が早い段階だと、大きめのサンゴの接着やサンゴを傾けて接着する場合に支えきれなくなる可能性があります。少し硬くなってきてから接着を開始する方が良い場合もあります。

私の場合、練ったHold Fastは下の写真のように円錐状にして使用しています。

この形状にしておいて、まず初めに底の部分にWater Gelを塗ります。コツはうっすら塗る事です。分厚く塗ると、中心に水が触れなくなり硬化が遅れたり、固まらなかったりします。

塗れたら、まずは接着したいサンゴにこのHod Fastをくっつけます。サンゴ自身が濡れているので、すぐに固まると思います。次に、とんがった部分にGelをうっすら塗ります。

この状態で土台となる岩に押し当てていきます。円錐状に練ったHold Fastがじわっと潰れて岩の隙間に入り込んでいくイメージです。押し当てた状態で1分も待てば大概は安定します。この状態で手をそっと離して、動かないことを確認してください。あとはHold Fastが完全に硬化するのを待つのみです。この方法でサンゴと土台はかなりしっかり接着することが可能です。

ただし、やり直しが効きにくい事が弱点となります。接着前に似たような場所にサンゴを置いて、元気にポリプを出すかしばらく様子を見ることも大事です。

今回はサンゴの接着について私自身の経験に基づく極意を書きました。皆さんのアクアライフの一助になれば幸いです。

ではまた!

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