水槽日記 Mgについて考える🤔

皆様お疲れ様です🌱

raikaです。

今回は「〜について考える🤔」シリーズで、3大成分の最後のひとつであるMgについて学んでいきたいと思います。前回のCaは人間にとっても馴染みが深く、シンプルで分かりやすかったと思います。しかし、Mgは少し漠然とした存在で、何となく数値を合わせてるって方もいらっしゃるかも知れません。

今回の記事では、そんなMgの役割と、実際の調整などについて、自分なりに調べてまとめてみました。

記事を読んでいただき、少しでももMgについて何か得られる物があれば幸いです🌱

Mgとは

Mgはマグネシウムのことで、Caと同様に生体に必要なミネラルの一つです。学生時代に学んだ周期表(元素を各々の性質が似たもの同士で並べた表)を改めて確認すると、MgはCaと同じ第2族元素に分類されます。第2属元素には他にもストロンチウムやバリウムなど、サンゴの骨格形成に関連する元素が多く含まれ各々が似た特徴を持っており、アルカリ土類金属とも呼ばれます。しかし、Mgは少し特殊で、Caとは異なる特徴を多く有しているようです。

Mgの役割

Mgの役割には様々なものがあります。骨格形成のサポート的な働き、生体反応の補酵素としての働きや、光合成色素の重要な成分としての役割などが存在します。いずれもマリンアクアリウムのとって必須の要素であると言え、3大成分の一角として納得できます。

骨格形成のサポート

前回のCaの記事では、サンゴの骨格についてお話をしました👇

そこでご説明したように、サンゴの骨格は炭酸カルシウムで形成されます。その炭酸カルシウムは単に積み上がるわけではありません。炭酸カルシウムには結晶体と呼ばれるものが存在し、サンゴの骨格はこの炭酸カルシウムの結晶体により構成されている事を知っておくと理解が深まります。代表的な炭酸カルシウムの結晶体には、ソフトコーラルの骨片などに用いられる方解石カルサイト)、大部分のハードコーラルの骨格となるあられ石アラゴナイト)があります。特にサンゴ飼育で重要となるのは、大部分を占めている後者のアラゴナイトです。このアラゴナイトの生成には炭酸カルシウム以外にストロンチウム、マグネシウム、微量元素なども必要になります。

一般にカルサイトよりもアラゴナイトの方が頑丈な結晶体なので、ハードコーラルはより強固な骨格を形成する為にアラゴナイトを生成します。しかし、炭酸カルシウム以外の材料が不足すると脆いカルサイトを作らざるを得なくなり、結果としてサンゴは脆くなります。この為、材料となるMgはアラゴナイト形成に重要な役割を担っています。

生体反応の補酵素

生体ではその生命維持のために様々な化学反応が起こっています。その際に、通常の反応をよりスムーズに行うための触媒として働く物質があり、これを酵素と呼びます。この酵素は単独で作用するものもありますが、ある物質と結合することで酵素として作用する場合もあります。後者の場合に、酵素と結合する物質を補酵素と呼びます。マグネシウムは主にこの補酵素として生体で必要となります。多くの化学反応において、どの反応にマグネシウムが必要かは不明な点もまだ多いようですが、生命活動には重要な存在と言えます。

光合成色素との関連

サンゴと共生している褐虫藻や、その他の海中に存在する植物プランクトン、光合成によりエネルギーを合成しています。このエネルギーの多くは、食物連鎖によって水中の多くの生体に順に巡っていきます。このため、マリンアクアリウムにおける光合成という現象は非常に大切な要素です。

光合成には光エネルギーを吸収する葉緑素が必須であり、その代表がクロロフィルです。クロロフィルは植物プランクトンにも存在しています。マグネシウムはこのクロロフィルの中心的な構成要素であり、大事な役割の一つと言えます。

Mgの調整

Mgは天然海水中では1300ppm前後で推移しています。これを参考に水槽内では1200〜1400ppm程度を目安に調整する事が推奨されています。

Ca同様にKHほどには消費されるものではありませんが、重要な役割を持っているため定期的な測定と調整は大切です。

測定

各社から測定試薬が販売されていますが、Caの記事でご紹介したように、私はRedSea社の以下の試薬を使用しています。CaとMgとKHの測定キットがセットで同梱されており便利です。測定は3つの中では最も面倒に感じることもありますが、日々測る必要はないので許容範囲かと思います。Ca同様に日々の変動(消費)は緩やかですので、私の場合は1週間に1回程度の測定を行っています。

調整

Mgの調整はCa、KHとほぼ同じです。ご自身の飼育スタイルに合わせていずれかの方法で調整すると良いと思います。

Caリアクター

名前の示す通り、Caを生成する機材ですが、Caだけでなく、KH、Mgも同時に生成し添加することが可能です。MgのためにCaリアクターを導入する方は少ないと思いますので、すでにCaかKHのためにCaリアクターを導入されている方向けの調整方法と言えます。Mgに関しては、メディアによっては不足する傾向もあるようなので、その場合はMgに特化したメディアを付加して調整もできるようです。ご自身の水質の状況に応じてメディアを調整すると良いと思います。

添加剤

Mgが含まれた添加剤を水槽内に添加する方法です。単体を添加するものから、複数を同時に添加するものまで、多種の製品が販売されています。ご自身の水槽の状態に応じて選択して投与でき、導入コストはCaリアクターに比べると安価で場所も取りません。

日々自身で添加したり、在庫管理の手間がありますが、Mgの消費は穏やかな事が多いので、デメリットと呼ぶほどではないと思います

水換え

海水には適正なバランスに調整されたミネラルが入っていますので、万能の添加剤と言っても過言ではありません。水換えを行うことによって、バランスの取れた海水(天然or人工)の成分に近づきます。ただし、水槽の数値と海水の数値に差がある場合に一度の換水量を増やすと、急激な変化が生じて好ましくない結果となる場合もあります。このため、1回の交換量には注意が必要です。

私の水槽の場合はMgの消費は最も穏やかであり、Mgの調整はもっぱら換水で調整しています。

 

今回はマグネシウムについて記事にしました。役割がKHのように一つではないので、少しとっつきにくいところもあるかも知れませんが、やはりアクアリウムでは重要な項目であることが伝わってくれたのではないと思います。

今回で3大成分の大まかな内容は終わりです。いずれもより良い数値を目指したいところですが、実はここには相互関係があります。次回はその辺りを含めて、3大成分のバランスについて情報共有できるような記事を作れたらと思います🌱

ではまた👋

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA