水槽日記 待ちに待ったICP結果❗️重大な問題も発覚💦

皆様お疲れ様です🌱

raikaです。

天然ライブロックを追加した後、水槽の調子は特に大きな変化はなく経過しています。好転するにしても、いきなり好転するわけではないので、ここは焦らずに変化を見ていこうと思います。

先日ですが待ちに待ったICP水質検査の結果が返ってきました💨 実は水槽の調子が上がらなかったので、1月上旬に提出していたました。なかなか結果が返ってこずに心配していたのですが、どうやら同じ便の検体(水槽の水)が輸送途中に漏れたらしく、なぜか私のものも含めて全検体が日本に返還されてしまったようです😫 なので泣きの出し直しとなってしまいました…。そして提出し直した結果がやっと返ってきました。今日は結果を見ながら、それに対する対策を練っていこうと思います。

ICP検査とは

ICP 水質検査とは発光分光分析装置 (Inductively coupled plasma optical emission spectrometer ; ICP-OES) と呼ばれる機材を用いて溶液中に存在する各種成分を分析し、その濃度を数値化する検査です。原理は素人の私には理解しにくいのですが、霧状にした溶液サンプルをプラズマに導入することで元素固有のスペクトルを発光させ、それらのスペクトル (波長)やその強度から元素の存在や濃度を測定する事が可能だそうです💦 難しい…。

マリンアクアリウムでは特にサンゴ飼育において、栄養塩や主要イオン以外にも多くの微量元素の存在がその成長や色揚げに関連があるとされています。微量元素の添加剤も各社から発売されていますが、栄養塩などのように自宅で測定できるものは非常に少ないのが現状です。実際のところ自分の水槽が至適環境なのかどうかの判断が難しいのです。そこで活躍するのが、ICP検査です。この検査では生体に関連する微量元素を数多く数値化することが可能なので、自分の水槽に何が足りないのか、何が過剰なのかを把握する事が可能です。

ただし、検査機材自体はどこにでもあるものではないので、この検査を利用する場合は、自分の飼育水を採取して、測定会社(海外)に郵送し検査してもらう必要があります。このため、結果が出るまでに1〜2週間ほど時間を要し、1回のコストもそれなりです。よって、日々検査できるものではありませんが、自宅用の検査キットと合わせて要所でスポット的に使うことで、より水槽の環境を改善する助けとなってくれます。

日本ではTRITON LABとFAUNA MARINEの2社のICP検査郵送セットが販売されています。私は後者を主に利用しています。

ICPの結果

では早速ですが、結果を見ていこうと思います。まず全体の結果はこちらになります。

主要イオンであるCaやMg、栄養塩であるリン酸などに加えて、数多くの微量元素の濃度が測定されています。測定項目には至適な海水環境に準じた基準値が設けられており、これと飼育水の濃度を比較することで、自身の水槽の状況が把握できます。FAUNA MARINの場合は、結果に応じてFAUNA MARINの添加剤をどの程度添加すべきかも記載されています。

raika

では各グループ毎に考察していこうと思います。

主要元素及びハロゲン

ここは主要イオンや海水中でも含有量が多いものの測定値が記載されています。

主要なものは別として、これらの元素の意義は全て解明されてる訳ではなく、まだまだ謎の多い分野です。それでも研究論文や製品会社のサイトを読むと、ある程度は把握されている部分もあります。

FAUNA MARINの海外サイトにはさすがICPをやっているだけあって、興味深い情報が多く記載さており、非常に参考になりました。自身で色々と調べたものも含めつつ、対策法を練っていこうと思います。

私の場合、ここの項目で基準範囲外の数値は硫黄、カリウム、そしてヨウ素です。特にヨウ素の数値は想定外に低値でした💦

硫黄

海水中には比較的多く含まれる元素の一つです。人工海水やエサ、添加剤などから水槽内に入っていきます。数値が低すぎるとサンゴの細菌感染の原因になり得るようです。通常の換水をしていれば至適レベルに管理しやすい部類のようなので、これに関しては静観することとします😑

カリウム

人間では細胞の活動に非常に重要な働きをしており、我々の業界では重要なイオンの一つです。サンゴにおいても大事な要素で、栄養の運搬、骨格形成、色素タンパクの生成、褐虫藻のエネルギー源などに関連すると言われています。

個別測定は可能ですが、ミドリイシの退色や赤いコモンサンゴの色抜けや成長鈍化は一つの指標になるようです。今回の測定では基準範囲外ではありますが、大きく逸脱していないですし、基本は換水で賄えるはずので経過観察にしようと思います。ただ、今後も低めで推移するようであれば、個別添加も考慮しようと思います。

ヨウ素

海水生体にとっては非常に重要で、生体の代謝や食欲、色素の維持などに関連があります。各種元素と同様に水槽内の多くの生体が消費していきます。加えて、ヨウ素は化合物を形成しやすく、その結果、スキマーで除去されやすい成分とされます。さらに、光や殺菌灯でも分解される性質があるようです。つまり、生体の活動に必要なのに、生体の消費以外にも分解や除去など、喪失する要因が多く、枯渇しがちな成分と言えます。このため換水や添加をしていても消費が激しく、『添加剤はあまり使わないが、ヨウ素だけは入れるようにしている』というご意見もよく目にします。

注意
他の元素に比して、水槽内から喪失する要因の多いヨウ素ですが、その程度は個々の水槽で多様です。単にスキマーや殺菌等を使用しているから低いだろうと考えず、生体の様子や実際の測定値を参考に調整することが大事です🙆‍♂️

話は戻りますが、私の場合はというと、まさに枯渇状態に陥っていたようです…。0.03μg/L以下は危険数値だそうで、うちの場合は0.016μg/L😰

ヨウ素低下の症状としては成長の欠如と色の灰白色化…非常に低い数値だと、SPSは成長点を失い、感染を起こしやすくなり、基部からの白骨化が生じることも。 また、栄養素の分解はもはやスムーズに進まず、 LPSでは、餌を与えている間でさえ、マウスが最大限に拡大しないことがわかるそうです…💦 これはうちの症状に似ている部分が多く、明らかに水槽不調の原因の一つになっていそうです💦 換水や総合的な添加剤でも補給はしているはずですが、それでも低下しているので早急に個別添加をすることにしました🔥

ヨウ素は上記の如く枯渇しやすいので、個別の添加剤も各社が取り扱ってくれています。うちで採用した添加剤はこちら👇

ギンポのパッケージが目をひくTropic Marinの添加剤です。市販されているものの中でもトップクラスに濃い試薬ではないかと思います。添加量は水量200 Lに対して1滴です。水量の多い水槽であればコストパフォーマンスは高いと思いますが、小型水槽では使用しにくい添加剤です。うちは水量400Lちょっとなので、ちょうど使い勝手は良いかと考えてこれにしました。

小型水槽の場合はもう少し濃度の低いこちら👇がいいのではと思います。

こちらの添加剤は水量50Lに対して1滴です。

注意
ヨウ素は強力な酸化剤でもあり、生体の消毒などにも使用されており、私自身も普段の診療でお世話になっています。消毒とは簡単に言えば弱い生体を失活させる行為です。このため、基準値を超える濃度は逆に生体にとっては有害ですので、過剰添加には注意が必要です。過剰添加した場合は、水槽の様子として苔が増勢することがあるようですので、一つの判断材料となってくれるのではと思います。

いずれの添加剤も光で分解されてしまう性質があります。瓶は遮光されていますが、付属の箱は収納用に使用し、置き場所も暗所を意識されると長持ちすると思います。

栄養塩

栄養塩はリン酸塩とケイ酸塩が測定されます。硝酸塩は測定されませんが、これに関しては市販の試薬で事足りるので問題ないかと思います。結果はこちら👇

いずれも問題ない値でした🙆‍♂️

RO水を用いた換水と吸着剤の効果がしっかり出た結果だと思います。

微量元素

最後に各種微量元素の結果になります。

基準値よりも低いものがほとんどで、多くは検出されない程度の値でした。ただし、アルミニウムとクロムは基準値を上回っています。特にアルミニウムの値は顕著です💦

アルミニウム

我々の生活でも馴染みの深いアルミニウムですが、生体への影響は未知な部分も多いです。

前の水槽を含めて何回か測定した事があるのですが、アルミニウムはいつも基準値を大きく上回る数値でした。今回はその中でも一番高いです😓  調べるとブラインシュリンプに代表されるアルテミアに含有されていたり、ゼオライトシステムからの溶出などがあるようですが、私の場合は恐らくリン酸吸着剤だと思います。

リン酸吸着剤ですが、世に出回っているものは鉄系とアルミ系の2種類に大別されます。パッケージにどちらの吸着剤か記載されてない場合がありますが、茶色系統は鉄系、白色系統はアルミ系といった具合に色で見分けることが可能です。うちで使用しているものはお察しの通りアルミ系です。RO水で換水してますし、特に特殊な添加剤や機材を使用している訳でもありませんので、恐らく原因として間違いないと思います。

基準値以上のアルミニウムが生体にどれほど害を与えているかは不明な事も多いです。ただ、高値の場合は多くのサンゴの成長やポリプの開きを悪化させ、徐々に色素は衰退し消滅する事もあるそうです💦 ウミキノコやトサカはアルミニウム高値の影響を受けやすいようで、これらのサンゴが原因もなく咲かなくなれば、一つ疑ってみてもいいかも知れません。私の場合、今回の数値は生体達に悪影響を与えていない可能性もありますが、少なくとも天然海水の基準値を上回ることは容認できません🙅‍♂️

アルミ系の吸着剤は、seachem社のように販売会社によっては『この程度使用したらアルミがこれくらい検出された』といった事を明記してくれています。ただし、私が使用している吸着剤の場合はアルミか鉄かすら記載がありませんでした😓 なので、吸着剤はこれを機にこちら👇に変更する事としました。

こちらはseachem社のリン酸吸着剤です。seachemでは他にもリン酸吸着剤があり、鉄系、アルミ系、混合系とラインナップが豊富です。私が調べた印象としては…

  • 鉄系:吸着量が多く、pHが若干上がる可能性がある
  • アルミ系: 吸着量は少ないが安価で、phが若干下がる可能性がある
  • 混合系:吸着量と値段は中間で、pHの変動が少ない

リン酸吸着剤に対して会社としてのこだわりを感じます。seachem社のアルミ系吸着剤は、同社の研究報告書からはpH5台で3倍量のアルミ系を使用した場合に0.2mg/L(今の私の数値程度)が検出され、それ以外の環境では検出されなかったと明記されています。つまりseachemのアルミ系吸着剤は、海水環境であればアルミが溶出することはないと考えて良さそうです。

このため、seachem社製であればどれでも問題なさそうでしたが、私の場合は水量が多く、魚も多く入れていくつもりなので、吸着量を重視して鉄系を試してみる事にしました。ちなみに他の2種類は以下になります。

アルミ系

混合系

 

また、すでに上昇してしまったアルミニウムに関しては、アルミニウムも吸着できるフィルターがあったので、少しだけですが試しに使ってみる事にしました。

 

ナプコが取り扱っているフィルターで、通常のフィルターとして振る舞うだけでなく特定の成分も吸着してくれるそうです。また、吸着した成分に応じてフィルターの色が変化するという面白い特性もあるので、何を吸着したか判別が可能となります。吸着できる物質に、今回上昇したアルミニウムが含まれていたので試す事にしました。アルミニウムが吸着されれば、赤色に変色するそうなので、しばらく使って観察していこうと思います。

クロム

金属の一種で、我々の生活ではステンレスの材料などとして使用されています。人間では耐糖能などに関連していますが、海水生体にとってはどの程度の影響があるのでしょうか。

クロムは生体にとっても重要な微量元素ですが、高濃度では毒性も示唆されています。通常はサンゴの骨格に使用されたり、代謝酵素としての働きもあるようです。水槽内へは添加剤、セメントなど接着剤やアルテミアに含有されて蓄積します。

今回の検出は、ショップに相談したところ、セメントや擬岩を使用した事に伴うものでようさそうです。特化した吸着剤もないので、徐々に換水で減らしていくしかなさそうです🤔

その他の微量元素

残る微量元素は基本的には基準より少ないものとなっています。何がどれほど影響しているか分からない事が多いですが、今後も定期的に測定し推移は観察していこうと思います。また、鉄をはじめ、亜鉛、マンガンなどの重要な微量元素も不足していることが分かりましたので、これらに関しても状況に応じて追加添加を考える必要がありそうです🤔

 

今回はICP検査の結果解釈とその対策を考えてみました。

ICP検査はたくさん真新しい情報が得られるのでありがたい存在です。ただし、結果に対してどこまで許容して、どの程度は対策を行うかは状況に応じて自身で判定することが大切です。日常診療をやっていても、全ての数値を正常値に戻そうとしているわけではなく、その人の状態に応じて必要な分だけの加療を行います。全ての数値を基準値に合わせる必要はなく、自分の水槽の正常値というものを探る事が大事なのかなと思います。今回は悪い状態で検査しましたが、いい時も時折検査して把握しておくとICP検査の価値がより高まるでしょう👍

また、実際に対策を行う場合ですが、毒性物質を取り除く場合はある程度スピード感が必要だと思いますが、不足分を追加する場合は焦って急激に補正することは一般的に推奨されません。逆に調子をさらに崩す場合もあるので、慎重に⚠️

今回のICP検査では大きな問題点がいくつか発見できたので、とても意義のあるものだったと思います。検査結果が遅れたことは悔やまれますが、気を取り直して調整を続けていこうと思います🔥

ではまた👋

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