水槽日記 ハタゴイソギンチャク長期飼育のコツ

皆様お疲れ様です🌱

raikaです。

今日のテーマはハタゴイソギンチャクの長期飼育のコツについてです。

海水魚飼育の楽しみ方として、『共生』する生き物の観察があると思います。中でもカクレクマノミとイソギンチャクの共生は有名です。小さなカクレクマノミがふわふわと漂うイソギンチャクの触手にくるまれている様子は見ていてとても癒されますね🌱

この水景に憧れて海水魚飼育を始める方も多いのではないでしょうか?

ただし、ここで厄介なのがイソギンチャクの飼育です。特にカクレクマノミと相性が良いとされるハタゴイソギンチャクは、高価な上に一般的に飼育が難しい部類とされています。

カクレクマノミがモフモフする所を見たいけど、ハタゴイソギンチャクの飼育が不安で手が出せない…

購入したけどハタゴイソギンチャクが移動しまくる…

などなど、ハタゴイソギンチャクの購入、飼育を行う際には不安とトラブルが多いと思います💦

私もハタゴイソギンチャクを購入する際には悩みに悩みました😅 また購入してからも大失敗してしまった事もあります…

でも試行錯誤の結果、今はハタゴイソギンチャクは毎日元気で、カクレクマノミと綺麗な姿を見せてくれています。

そんな経験をふまえて、出来るだけ失敗を少なく抑えてハタゴイソギンチャクの飼育が出来るように、購入から長期飼育へ繋げていくコツを伝えていこうと思います💪

ハタゴイソギンチャクとは

クマノミとイソギンチャクには相性が多少なりありますが、ハタゴイソギンチャクは特にカクレクマノミと相性の良いイソギンチャクの代表格です。日本では沖縄産やインドネシア産などが主に流通しています。

購入できるイソギンチャクの中でも高価な部類になり、人気種のために常にショップに置いてあるという訳ではありません。

カラーにはいくつか種類があり、一般的には白色光の元で薄いグリーンのものが多いように思います。レアカラーにはブルーやパープルなどがあり、これらはさらにレアで高価になってきます。

購入時のコツ

個体の選定はハタゴイソギンチャクを長期飼育するための一番のポイントと言っても過言ではないです。

このため、信頼出来るショップでの購入や、実際に見れるのならば以下のポイントに注意して個体選びをします。

触手

ハタゴイソギンチャクの触手はそんなに長いものではありませんが、縮まずにしっかりと伸びている(1〜2㎝程度)個体は状態が良いと言えます。また、サンゴとは違い、触手1本1本は元気だと活発に動きます。水流を一時的に止めてもらって観察してみるのも良いと思います。色合いに関しては個体や褐虫藻の状態によっても差が出てくるので、判断は難しいところです。

イソギンチャクは個体の中心に口があります。元気な個体であれば口はキュッと閉じています。力なく口が開いている個体は要注意です。場合によっては口の奥まで見えたり、口から何か白っぽいものが出ている場合もあります。このような個体はほぼ間違いなく弱っているので選ばない方がよいです。

全体

光が当たっている状態のハタゴイソギンチャクは光合成のために大きく膨らみ開いて光を受けます。これができずに口を中心に縮こまっているような個体は、何らかのストレスを受けている可能性があり、十分な光合成が出来ていないリスクがあります。

採取や輸送について

イソギンチャクの体力を奪うのは採取と輸送が大きな要因です。

採取方法は薬物を使った採取方法と手作業で剥がすハンドコートと呼ばれる採取方法があります。昨今では薬物使用は無いようですが、ハンドコートで丁寧に採取された事が分かれば、ひとつ安心材料となります。

輸送に関しては、産地直送便のように輸送時間の短いものの方が好ましいです。

入海までの準備

イソギンチャクは特に水槽に入れる前の準備が大事だと思います。入れてからだと修正しにくい事もありますので、一つ一つご説明しますね!

水質

一般的にはミドリイシを飼える程の環境が良いという意見が優勢です。オーバーフロー水槽など十分な水量にプロテインスキマー、浄水器など、ある程度の機材があったほうが安心です。

ただ、ハタゴイソギンチャクは元々は浅場で環境変化の激しい場所に生息しています。ですので、上記のような条件が必ず必要かは疑問の残るところではあります。

水流

イソギンチャクは光合成以外に餌を食べてエネルギーを得ます。また、同じ口から排泄もしますので、適度な水流を加えて周辺環境を循環させてあげることは大事です。ただし、直接流れを当てると嫌がる傾向がありますので、触手がふわふわとなびく程度に調整してあげるとよいと思います。

照明

イソギンチャクは褐虫藻と共生し、褐虫藻の光合成によるエネルギーを利用しています。このため、照明は重要な要素となります。メタハラが一般的に推奨されていましたが、LED照明はここ最近の発展がめざましく、私自身もLEDで問題なく飼育できています。うちの場合、光量はそれほど強光は必要なく、サンゴ飼育が可能なライトを使用していれば概ね事足りると思います。

場所と各種養生

イソギンチャクはサンゴと似たところが多いですが、大きく異なる点があります。それは移動すること。自分の気に入らない場所であれば遠慮なく動きます。イソギンチャクを置きたい所を好みの環境にしておかないと、活着しなかったり、すぐに移動したりします。

イソギンチャクは刺胞動物の一種であり、その触手には毒があります。同じく動ける生体は逃げることが可能ですが、サンゴなどを同時に飼育している場合は移動には特に注意が必要となります。

経験的に好みの場所は上記のような触手がふわふわする程度の水流があり、光がほどよく当たる場所です。ただ、光の加減を自分で調整する傾向があるので、少し動けば影にも入れるようにしておくと良いと思います。また、底砂には活着しませんのでライブロックなどで足場を組んでおきましょう。その際、イソギンチャクの足がはまり込めるような窪みのある岩にしてあげると活着しやすいと思います。

次に機材の養生をしておきます。具体的には水流ポンプやヒーターなどに直接触れないように、機材を園芸用のネットなどで保護します。これをしておかないと、うまく活着できなくて漂ったり、移動したりなどして、これらの機材に接触して致命的なダメージを負います。実際、私は初購入のハタゴイソギンチャクを到着当日の夜に水流ポンプ巻き込みで亡くしました😢

イソギンチャクの破片は水を非常に汚すので、こういった事故はイソギンチャクだけでなく水槽全体に影響します。このため、養生は決して怠ってはいけません⚠️

入海から飼育

水合わせ

急激な水質や水温の変化はイソギンチャクもストレスを受けると思います。魚と同様に温度合わせをした後に、時間をかけて水合わせも慎重に行いましょう。

水合わせが終わって水槽に移す際に、活着して取れなくなることもあります。この場合は、慌てず足の部分を愛護的に剥がしていけば外れます。とっかかりができるまでは大変ですが、慎重にやれば大丈夫です。

また、ハタゴイソギンチャクは飼育できるイソギンチャクの中では刺胞毒が強いです。素手で触れると刺されますので、手袋(パウダーの無いもの)装着の上で作業することをお勧めします。

慣れてくると素手で触ったりもしますが、後で少しヒリヒリした感じがしました😅

基本は光合成だけで生きていくことは可能な種です。しかしながら、入海当初は体力の消耗も激しいと思われますので、専用の餌を少量定期的にあげると良いと思います。安定すれば餌は不要になりますが、サイズアップなどを積極的に行う場合は給餌を続けると良いかと思います。

私が使用した餌を紹介しておきます。

先住のクマノミが居たら

人によっては、すでにクマノミを飼育されている場合もあるかと思います。この場合、相性が良ければすぐに共生が始まります。喜ばしいのですが、入海したてのイソギンチャクにとってはストレスになる可能性があります。

長旅を終えてほっとしたのもつかの間、いきなりクマノミに24時間ダイブされるのですから、当然と言えば当然ですね😅

可能であれば、園芸用ネット等を用いて、クマノミからしばらくの間は隔離してあげるのも1つです。隔離期間はイソギンチャクの状態にもよりますが、少なくともしっかり活着し、日中は膨らめる状態になるまでは続けると良いかと思います。

入海初期の水流と照明

入海初期は上記の水流や照明よりも弱めにする方が経験的に良さそうです。特に水流が強いと活着を妨げる事もあり、最悪の場合、私のように流されて水流ポンプにダイブ…なんて事もあります😱 少なくとも活着するまでは水流は弱めで良いかと思います。また、いきなり強い照明はストレスとなる場合があるので、最初は弱めの照明で始めて、状態を見ながら光量を上げると良いかと思います。

最初は環境変化に慣れずに縮こまったりする事もありますが、焦ってあれやこれやと触りたくらず、全体に設定を落として様子を見てあげるのもひとつのコツかと思います。


今回はハタゴイソギンチャクの長期飼育についてのコツを解説しました。

ポイントは…

MEMO

良質な個体をしっかりと選定する

購入前に水槽の受け入れ体制をしっかりと準備する

イソギンチャクは本来とても強い生き物なので、良い個体にめぐり会えれば、長期飼育も意外と可能です。是非この機にクマノミとイソギンチャクの共生にチャレンジし、その姿に癒されてみてください☺️

以上、この記事が何かの参考になれば幸いです🌱

ではまた👋

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