水槽日記 ダイノス襲来!!効果のあった対策をご紹介

皆様お疲れ様です。

raikaです。

しばらく自分の水槽のことを書けていなかったので、水槽日記を書きます。

2月に入るくらいまでは、大きな変化もなく綺麗な水景を見せてくれてたんですが、最近になり何やらコケのようなものが目立ち始めました。

換水や給餌の頻度も変えてないし、購入したサンゴの影響でもあったかなと様子を見ていましたが、

raika

なんだかコケにしては成長が早い…。サンゴにも付着するし、これはまさか…。

実は心の片隅でもしかしてとは思っていたのですが、どうやらこのコケのようなものはダイノスではないかと。

(ブルームしてた時は写真が撮れず、対策後の写真ですみません。ミドリイシに付着している小さな茶褐色のものが問題のコケのようなものです)

ダイノスと言えば、熟練のアクアリストでも苦戦するマリンアクアリストの天敵と言っても過言ではないような厄介な存在。水質は問題なく、換水して除去しても次の日には復活、サンゴにも付着し嫌がらせする、色んな特徴と照らし合わせてもダイノスと考えて間違いなさそうです。まさか自分の水槽で出現はしないだろうと根拠のない希望的観測で過ごしていました。

今回はこのダイノスらしきものに対して行った対策と現時点での経過について記録しておこうと思います。

ダイノスについて

多くの先輩アクアリストの方々から報告があるので、既出感は満載ですが、自分の向学のためにもまとめておきます。

渦鞭毛藻類(Dinoflagellates、Dinophytes) 略してダイノス(Dinos)

出典:ねこのしっぽ

2本の鞭毛をもつ単細胞藻類で植物プランクトンの1群です。多くは遊泳性ですが、不動生性の種も知られています。2000以上の種類があるそうです。植物プランクトンなので、通常の水槽に普通に存在し、水槽内での食物連鎖における底辺部を構成する大事な生物でもあります。ただし、水槽という閉鎖空間内ではその中の1種が大繁殖を起こし、生物バランスの崩壊を招くことがあるのです。

自然界で生じる「赤潮」もこの渦鞭毛藻類の異常増殖による現象で、その他の生物に対して害を及ぼします。

渦鞭毛藻類にはその栄養調達経路から2つタイプに分類する事ができます。

独立栄養性渦鞭毛藻類

渦鞭毛藻類の半数は葉緑体を持っており、独立栄養性渦鞭毛藻類はこれに該当します。葉緑体を持っているので光合成で炭素源を作ることが可能です。

比較的栄養塩の少ない環境でも繁殖することが可能なようで、水槽の浄化能を高めて水質が極めて高い清浄度に達すると、他の生物を押しのけて大繁殖を起こすこともあります。

藻類、サンゴおよび魚を含むあらゆるものの表面に付着する粘液を分泌し、これらに付着します。そして、光を求めて伸びて増えます。サンゴの場合、覆われた部分は光合成できず、ポリプも引っ込み、徐々に弱ります。

また、光源が消えて光合成できなくなると、個体から離れて、新たな環境を探してまた付着し、水槽全体に慢延するようです。

従属栄養性渦鞭毛藻類

上記とは異なり、葉緑体を持っていないタイプです。

こちらは増殖のために光合成以外からの炭素源を必要とするので、制御は比較的容易なタイプとなります。

ダイノスの対策について

ダイノスの対策を自身で色々と調べて感じたことは、そもそもの情報量がその他の苔類に対して少なく、特効薬のような存在もないことでした。海外サイトなども随分と探し、ある程度の対策方法は見つけましたが、まとまった情報は中々探しきれませんでした。

 

その中で、自分が調べた内容と照らし合わせても、最も情報量が多く綺麗にまとめられらものが「どにゃん」さんの記事です。

MEMO

夜明けのフルスペクトル

ダイノスだけでなく、多くの情報が詰まった良記事の宝庫です!

raika

簡潔にまとめますが、各項目の詳細については「どにゃん」さんの記事をご覧ください!

対策方法

  • 照明を弱める
  • 水温を上げる
  • 水流ポンプを弱める
  • 殺菌灯を設置する
  • フィルターソックスを使用する

これらの方法は、ダイノスの栄養分を減らし、他の場所へ移動しにくくし、さらには物理的に除去していこうという対策方法です。特に「照明を弱める」「水流ポンプを弱める」の対策は飼育しているサンゴ自体にもダメージを与える可能性がありますので、加減をしながら行う必要があります。

  • 生物多様性を高める
  • 給仕頻度を増やす

これらの方法は、ダイノスと競合する動物性プランクトンや植物性プランクトンを増やし、結果としてダイノスを減らそうという対策です。

・活性炭を使用する

ダイノスの抑制ではなく、ダイノスが死滅した場合の汚染物質の除去のために使用する。

・顕微鏡下に変化を観察する

実際にどれほどの効果が出ているか確認することは大事です。それほど高くないものも売っていますので、可能ならば顕微鏡を入手して観察してみましょう。

やってはいけないこと

  • 換水
  • 炭素源の使用
  • リン酸吸収剤の使用
  • 微量元素の添加

これらの方法は、ダイノスの生息環境をさらに向上させてしまい、更なる定着に寄与するものとされています。相手を苔と見誤ると、これらの対策をやりがちです。その結果、とんでもないブルームを招く事もあります。生物多様性を高める目的での『天然海水』を用いた換水の場合はこの限りではないと考えられます。ただし、『天然海水』の中にはあえて微生物を除去したものも存在するため注意が必要です。

  • ダイノスを吹き飛ばす

前述のように、ダイノスは色々なものに付着することが可能です。吹き飛ばせば、また別の場所に流れて付着し、その場でも増殖します。結果としては、水槽内のダイノス汚染範囲を拡大させてしまう結果に繋がります。

  • 酸化物質を使う
  • 水槽などを滅菌する

オキシドールなどは、ダイノス対策で見かける事がありますが、種によっては効果が得られないこともあるようです。また、他の生体に対してダメージを与え、結果的にさらにダイノスにとって良い環境を作りかねないので注意が必要です。

ダイノスと考える前に行ったこと

ダイノスと考える前は単純にコケだと思っていましたので、天然海水による換水給餌頻度を落とすことを取り敢えずやりました。掃除も換水のタイミングで行いました。掃除はできるだけ散らさないようにはしましたが、多少は散っているものと思われます。水質は確認し、栄養塩は上昇していないことを確認しました。いつも底砂の表面を軽く吸って表面のデトリタスは掃除しているのですが(これはあまり良く無い管理かも知れません)、最近はデトリタスは少し増えていました。

raika

やってはいけない事を見事にやってしまいました…

これらをやったものの、コケらしきものはすぐに復活。貝類が死んでいないか確認したものの、それはなさそうでした。ただ掃除部隊の数は足りないかなと考え、マガキガイとニシキウズガイを少し追加で投入を実行。それでもコケらしきものは減る傾向はなく、徐々にサンゴにも付着し始めました。最初は流れてサンゴに引っかかっているだけかと思いましたが、取っても取っても同じところに復活。これを見て、引っかかっているのではなく、その場で増えているのだと考えを改めました。この時点で、これはダイノスであろうと判断しました。

ダイノス対策

比較的すぐに導入できる手段から開始。

最初にやった事は照射量を30%程度まで落として、水流を弱めました。また、目に見えるものはスポイトで吸い出して、フィルターソックスを通してダイノスだけを除去するように努めました。また、壁面や水流ポンプなどは適宜掃除を行いました。

コンセプトとしてはなるだけ散らさないように絶対量を減らし、光を減らして兵糧攻めにする戦略です。

これらの結果、ややダイノスの増加スピードは落ちたように思いましたが、増殖自体を沈静化することは不可能でした。戦略に対して効果は感じたものの、まだまだ不十分といったところです。

このため、次の手を打ちました。

それは動物性プランクトンの投入。

IMG_2525

動画では分かりにくいかも知れませんが、ミリ単位以下の微生物達です。ダイノスの発生原因である水槽内の生物バランス崩壊を、これらの生物を投入することにより再構築させて、ダイノス一強の環境を変化させようという発想です。非常に納得のできる解決策だと思います。

raika

言われてみれば、少し前までは自分の水槽にも今回購入したような微生物をたまに見かけていましたが、最近はとんと見なくなっていました。

他にもライブサンドやライブロックなどを投入する方法もあります。ライブロックも検討したのですが、いいものが見つからなかったのと、シャコなど有害な生物も入るリスクもあるので、今回は動物性プランクトンの投入を行いました。

MEMO

プランクトンの購入は海をお手本にしたアクアリウム「シュリンプ」さんで可能です。

シュリンプさんはとても人気で、sold outが多く、入荷してもすぐに売れてしまいます。購入を検討されるなら、会員や公式SNSを利用して、入荷情報をチェックすることをお勧めします。

注意

動物性プランクトンバックを投入すると、生物を多様に追加するので硝酸塩などもある程度上昇することが予想されます。投入後は適宜、水質のチェックをしましょう。

対策の結果

効果は予想以上に早かったです。

動物性プランクトンを投入した翌日からダイノスの増殖はほぼ抑制され、目に見えて減少しこのままなくなる勢いです。もちろん、その他の生体への影響はありません。

観察しようと思い購入していた顕微鏡がこの時点で届いたので、顕微鏡観察画像を以下にあげます。

サンゴに付着していたものを採取して観察しています。小さな茶色の米粒のように見えるものがダイノスで、冒頭にある拡大画像とよく似ています。実際には木の葉が舞うようにヒラヒラと泳ぎ回っている様子が観察できました。

 

次の画像は別の2mm程の塊を採取して観察したところです。

観察しにくいですが、真ん中にエビのような格好した生物が見えます。ダイノスとゴミ?の中で動いており、動物性プランクトンかなと思われます。素人判断ですが、捕食活動をしているのかなと思いました。

 

今回のダイノスに関しては、この時点でほぼ制圧できたと思われます。今後は徐々に光や水流を調整し直す予定です。

人によってはプランクトン投与でも簡単には制圧できない場合もあるようなので、特効薬とまでは言えませんが効能を確認できました。

ダイノスの駆除は一つの手段によらず、色んな手法を重ねて使うとより良いのだど思います。その中で、「ダイノスの栄養をカットする」「絶対量を物理的に減らす」「天敵を増やす」などの役割分担を考えながら対策していくと効果がありそうです。

また、顕微鏡観察は初めて行いましたが、相手が明確に分かるので非常に有用だと思います。

私が購入したものを一応ご紹介しておきます。

私の場合、子供の教育や私用も兼ねて日本製のある程度しっかりしたものが欲しかったので上記にしました。安いものだと5000円前後からもありますので、 そこはニーズに合わせて購入を検討されると良いかなと思います。

現時点でダイノスは抑え込めましたが、そもそも繁殖を起こした管理に問題があったと思われます。恐らく、今回は水を清浄にし過ぎたのかなと考察しています。以後は給餌量を増やしたり、吸着剤を撤去したりと調整をしていこうと思います。

ダイノスのその後の経過については以下の記事にアップしています。

 

今回の日記はここまでです。皆さんの何かのお役に立てれば幸いです。

不定期にはなりますが、アクア情報も今後継続して記事におこしていきますのでよろしくお願いします。

ではまた!

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